心のつながり 小学校で子どもが自分から行動するようになるコツ

 どうも。Sattokun です。私は小学校の教員をしています。日頃教育や教育界に関して、感じていることなどを記事にしていこうと思います。

 

 クラス担任をしていて、子どもと毎日接していて、うまくいくこと、いかないこともたくさんあります。うまくいかないことを読んでくれださる人に共感してもらったり、うまくいったことも読んでいただいて少しでも役に立ってもらえたらと思います。

 

 また、私は読書が趣味で、毎日読書をしています。本を通じて、自分が役に立ったなあと思うことがたくさんあります。そういった本の紹介も、この記事でしていこうと思います。

 

 さて、第1回となる今回で話題にしたいのは、子どもとの「心のつながり」です。

 

なんだ、そんなことかと、思うかもしれませんが、当然、教員をしていて、子どもとの心のつながりを作ることはとても大切だなあといつも実感します。

 

まあ、「子どもとの信頼関係を築き」なんて、言い尽くされていますよね。

 でも、教育の世界を見ていると自分も含めて、そうはいかない場面もたくさんありますし、心のつながりについてあらためて考えてみたいと思います。

 

まず第1に、生活についての指導です。

私は、中学年や低学年の担任をすることが多いのですが、小学校では子どもにさせなければならないことがたくさんありますよね。

朝の支度、宿題の提出、チャイム着席、学習用具を出す、連絡帳を書く、など・・・

これらを「やりなさい」と言ったら子どもがそれをするわけではありません。

 

 何度言っても連絡帳を書かない子どもに、いらいらすることもあるかもしれません。いい加減にしてほしいと、思わず声を荒げてしまうことも・・・。私も、完全にそんな教員でした。

 

 どうしたら、子どもたちが自分の言うことを聞くんだろう、と、悩んだこともありました。

 

 今は、そういったことはだいぶ減りました(まだ時々怒ってしまうこと、悩むこともあります)が、今思うことは「子どもと心のつながりを作れば、子どもたちは私の言うことを聞くようになり、やがては自分でできるようになる」ということです。

 

 具体的に2つを挙げますと、まず1つ目は「できたことを認める」ということです。

どうしてもわれわれ教師は、子どもの「できていないこと」が見えやすいです。

なので、例えば「あの子は朝の支度をするのが遅いなあ」と思っていても、できていないことではなく、少しでもできていることに注目して認めます。

 

「あ、○○さん、ランドセルから荷物を出したね!」

○○さん、宿題を前に出せたね!」

 

2つ目は、特に宿題や提出物を前に出せた時に、その子にお礼を言います。

「○○さん、出してくれてありがとう!」

 

 1つ目は、やはり人間、できていないことをずっと言われるより、できていることを言われた方が、嬉しいということだと思います。

また、人には個人差があるので、「個人差に応じている」とも言えます。その子は、ほかの子より行動のスピードは遅いけれど、その子なりに頑張っているのかもしれません。

当然、自分のできているところを認めてくれることによって、心のつながりができていくのだと思います。

 

 2つ目は、様々な場面に効果がある「感謝」です。

クラスの子どもが、やってきた宿題を提出するのは「当たり前」という考えから、脱却するとこの言葉が子どもに出るようになるのだと思います。

 

「先生のためのアドラー心理学」という本があり、これを読み、とても感動した覚えがあります。

 

この本には、いろいろな場面で子どもに、「ありがとう」と話すとよいと書いてあり、衝撃を受けました。

 

子どもに、実際に、例えば私の話を聞いてくれた時にありがとうと言うと、本当に聞いてくれ、子どもがやわらかい表情をしていました。

 

それまでの私は「子どもが教師の話を聞くのは当たり前だ」「連絡帳を出すのは当たり前だ」などと、思っていたのかもしれません。

 

 当然、ありがとうと言われると、先生と心のつながりがある、と子どもは感じてくれるようです。

 

ここで、「こころのつながり」の2つを書いてきましたが、ここで大切なのは、私の実感なのですが、このように声掛けをして、子どもは「声をかけないとできない」子には不思議とならず、「だんだん自分でできるようになっていく」という点です。

 

 例えば、できる子は褒められ、できない子は罰を与えられる(叱られるなど)という場合、罰を与えられた子は、教師と心がつながっているとは思わないでしょう。

 

 それを続けていった時、子どもはチャイム着席、学習用具を出す、連絡帳を書く・・といったことができるようになるでしょうか。わたしは、あまり効果がないと思っています。

 

 前向きな、相手を尊重した声掛けをしていくと、だんだん声掛けをしなくても自分でするようになり、最後は声を掛ける必要が無くなっていくことが多いです。

 

子どもには、自分でできるようになる力が、誰にも、備わっているのだと思います。

 

「先生のためのアドラー心理学」(ほんの森出版)赤坂 真二著 とてもいい本なので、皆さんも読んでみてください。