Sattokun’s diary

元教員 小学生息子を持つパパのブログ

生まれた時から「戦っている」息子

 私の息子は「戦い」「競争」が好きだ。

 

昔は「戦隊もの」をテレビで見るのが大好きだった。映画も見に行った。動画サイトで戦隊ショーをよく見ていた。見終わった後、自分が強くなっている感じがするのかもしれない。

 

最近、出かけている時や、一緒にお風呂に入っている時など、私との会話で一番多いのは、「○○競争」や「○○バトル」と彼が呼んでいるものだ。簡単に言うと、彼と私が考えるモンスター同士(ロボットや妖怪の場合もある)を、必殺技を考えて話しながら戦わせるものだ。

 

口での戦いなので、彼のさじ加減でいかようにも強くできるので、必ず彼が私のモンスターを攻略して勝つ。彼の考えたモンスターが、常に最強なのだ。また、どうして強いのかについて、ずーーーーっと、彼だけ話している。

 

 戦い好きでいいこともある。彼に支度を早くしてほしい時は、「位置について、よーい、ドン!」と私が言って、競争風にすると、普段は話を聞かないのに、負けたくないと思ってすぐ支度をする。

 

もっとも、こちらがやってほしいことは競争になるものだけではもちろんない(例えば宿題で、字を丁寧に書く、とか)ので、そういう時にはとても困るのだが。

 

夏休み前、「ドラゴンドリル」というドリルを、妻が買ってやっていた。算数の問題が解けると、シールを貼れて、全部貼ると強そうなキャラクターが完成するのだ。彼はキャラクターを完成させようと、どんどん問題に取り組んだ。元々算数は好きだったというのもあるが、私は「小1でここまで自分で学習するのか」と驚いた。

 

ところが宿題はそうはいかない。何かにかこつけてなかなか始めようとしないし、宿題は大体国語と算数があるので、国語のひらがななどはとても時間が掛かる。ひらがなの書き方を見ると書き順がことごとく違うし、それを指摘してもなかなか直らない。繰り返し指摘していたら、しまいに泣いて出て行ってしまった。

 

 ある日、息子がいつものように、「ねえねえ、お父さん、モンスターバトルしよう。」と、彼が私に行ってきたので、「いや、たまにはバトルじゃない話をしようよ。雑談しよう、雑談。」と私が言うと、「雑談って何?」と聞いてくるので、「いや、何気ない話さ。例えば、昨日学校で何をした、とか、今日の天気は、とかだよ。昨日、学校で、何したの?」と聞くと、「えー、忘れた。」と言うのだ。

 

息子は、体験したことを思い出そうとしても、よく「忘れた」と言う。夏休みの絵日記も、旅行に行ったことを書くために思い出そうとしたが、同じように忘れていて苦労した。思えば、彼の大好きな「戦い」「競争」は、今まさにスリリングな状態で起こっている生の現実であり、彼にとって「過去」は、そんなに大事ではないものなのかもしれない。

 

 小さいころから、息子は私のことを「もう少しで倒せそうな敵」のように思っているかのようで、よく私に戦いを挑んできた。昔はおもちゃの剣で戦いごっこをよくして、私が倒される役だった。今でも、「階段上り競争しよう!」「着替え競争しよう!」私の好きな将棋は、ルールを覚えると平手(ハンデなし)で挑もうとしてくる。トランプのスピードでも、私といつも真剣勝負だ。

 

 彼は、生まれてすぐ、家でベビーベッドで寝ているときに、無意識で手を顔の前で「ブン、ブン」と振っていることがよくあった。「○○(息子の名前)は、いつも見えない敵と戦っているね~。」と、妻と冗談で言っていたものだ。それが今でも続いてしまっているのか・・・。

 

 ともあれ、もう小学校1年生だし、私はもう戦い合うのではなく、彼と同じ方向を見て、彼の目標に向かう支えになるというかかわり方をしたい。今この瞬間も大事だが、少し先の未来に向かって高める彼を応援したい。少しずつ、声掛けを考えてみようと思う。

 

 そう考えこの文を打ち込んでいる今もまた彼が私に「お父さ~ん。俺を倒してみてよ~。」と、私を挑発してくる。