毎日、小1の息子と一緒にお風呂に入っている。
ふざけ合い笑い合う。とても楽しい時間だ。
少し前までは一緒に湯船につかりながら、あっち向いてホイや、グリンピース(じゃんけん)などをしていた。
最近は、それが飽きてきたのか、あまりしなくなった。そもそも暑がりで、湯船にずっと使っているのが好きではない子だ。
ご飯を食べた後、テレビや漫画を見て過ごし、私が風呂に入って少したってから息子もお風呂の方に来るというスタイルになった。
私と一緒に風呂場から出ることになっているので、後から湯船にざぶんとつかり、急いで体を洗い、一緒に出る。
ドライヤーで息子の髪の毛を先に乾かし彼はリビングへ行く。私も髪を乾かし、服を着て、後からリビングへ行く。
だいたいいつもこのように進むのだが、私がリビングに行くと、必ず息子は裸のままだった。必ず。
私や妻がどんなに言っても、パジャマを着ない。15分、20分経ってもだ。妻に叱られ、ようやくしぶしぶ着る。
暑がりだから、着たくないのだろう。また、漫画を読むのを中断したくないという理由もあろう。息子は過集中である。漫画に没頭すると、他者の言葉はなかなか耳に入らない。
そこで私はそんな現状からいくつかの方法で息子に着替えをさせてきたが、最近やっている方法を紹介する。いきなり、
「第42915回、世界、パジャマ早着替え、選手権~~~!!。」
「さあ、今日も始まりました。今回も優勝の大本命は、何と言っても日本代表の○○(息子の名前)くん。今日も絶好調の様子。一方、今大会のライバルは、アメリカ代表、ジョンソン君。世界大会予選で、圧倒的な速さでした。・・・・」
と、勝手に架空のパジャマ着替え世界大会の実況を私が創作し、しゃべり出す。すると、息子の表情が一変する。
「位置について、よーい、スタート!!」
この後も私は実況を続ける。勝負ごとが大好きな息子は、あっという間にパジャマに着替え終わる。そして、ドヤ顔でまた漫画を見始めるのだ。
「またもや○○くん、世界チャンピオン、なんという速さ!!」などと、私は調子に乗る・・・こんなやり方で着替えさせ、しばらく続けていた。
最近、風呂上り後、私が少し遅れて着替えリビングに行くと、パジャマを着ようとしない息子に向かって妻が注意していた。
私が妻に「世界選手権、やってみたら?」というと、「うーん、私はちょっとそういうのはね・・・。」と渋る。まあ、それはそうか。
そこで私は普段通り架空の選手権を開催すると、息子は10秒で着てしまう。
妻もやってみてもいいのに、と思うものの、無理には言えない。
そんな日が続いていたある日、風呂上り後リビングに行くと、息子がもうパジャマを着て漫画を読んでいるのだ。
その次の日も、パジャマを着ていた。
私は『ま、まさか・・・?」と思った。そこで、私抜きでパジャマを着ている息子の様子を見ようと早めに、そっとリビングに行った。すると・・・私は見てしまった。
「はい、世界パンツはき選手権~~。はじまりまーーーす!」
「え?!」
つ、妻もやってる!!!
子育ては、協力が(?)大事だ。息子が風呂上り、裸のまま過ごす姿はもうない。